「イチゴのクラウン温度制御(クラウン冷却)」をご存知ですか?
簡単にいうと、イチゴの成長点のあるクラウン(株部)に穴のないポリエチレンチューブをまわし、
チューブに冷水や温水を流してイチゴのクラウン(株元)だけを直接冷やしたり、暖めるなどして
連続出蕾と生育促進により増収を図る技術です。
(独)九州・沖縄農業研究センター久留米研究拠点(旧
野菜・茶業試験場 久留米支場)で開発されました。
クラウンを冷却すると……
・果実が大きくなる
・花芽分化が安定する
クラウンを暖めると……
・草丈が伸び、葉が大きくなる
・葉の展開が早くなり、それに伴って次の花房も早く出る
という栽培手法でコストダウンと収入安定のために開発された技術です。
以前、弊社のユーザー様をご紹介させて頂いた記事でも
『既存井戸を活用した地中熱ヒートポンプ設備』として
埼玉県のイチゴ農家様のクラウン温度制御システムを紹介させて頂いて居ます
⇒農業は“コントロール”できるーーとあるイチゴ農園の挑戦 (埼玉県熊谷市での事例)
https://agricluster.blogspot.jp/2017/12/pr-tablekumagaya.html
定植直後から冷水(クラウン部温度を20℃前後)をまわすことにより
、第一次腋果房の分化・生育の早進化によって収穫の中休みが短縮され、早期収量が倍増します。
10月中旬以降の低温期には温水(クラウン部温度を20℃前後)をまわすことにより、
葉や果房の展開速度が早まり、収穫が平準化します。
基本的にクラウン部分(株部分)の温度管理しか行わない為
暖房コストの大幅に削減することが可能です
ハウス全体の空気を温めるより、
イチゴの株の根もとだけの温度を管理するエネルギーの方が小さいに決まっていますよね
勿論、従来のボイラーでは、温めることしか出来ません。
そこで必要なのがヒートポンプといった冷却機能のある設備です。
ヒートポンプを利用すると冷水と温水両方をつくることができますが、
空気熱源ヒートポンプを活用した場合は
気温が5℃以下に下がると凍結防止装置が働き運転停止し、使用出来ない時間があります
地中熱ヒートポンプなら
システム設計次第で-20℃程度まで運用が可能です。
つまり地中熱なら、
温度が0℃以下になる地域でもクラウン温度管理の栽培が可能ということです
温度が0℃以下になる地域でもクラウン温度管理の栽培が可能ということです
実際、宮城県の実証データでは、温度不良が出ていますから
空気熱源の限界がそのあたりにあると考えられます
では、コストの面ではどうでしょうか?
農研機構のホームページには
空気熱源の限界がそのあたりにあると考えられます
では、コストの面ではどうでしょうか?
農研機構のホームページには
「10aあたりの初期導入コストは、約2500千円、
促成栽培でのランニングコストは約34千円/月である。
クラウン温度制御装置のコストの概算値は年間で約800千円と見積もられ、
イチゴの収穫増による利益を十分下回り、農家の所得向上に寄与できる。」とあります。
ですがこれは、空気熱源ヒートポンプを活用した場合の事例の金額です
地中熱ヒートポンプの場合は、
電気代が半分以下のランニングコストで運用可能です。
設置も国庫の各種補助金が最大2/3~1/3程利用可能な場合があります
地中熱設備で一番費用が高いのは井戸工事です。
既存の井戸を活用することによって工事費を抑えることも可能です。
信州大学で行った
『地中熱ヒートポンプ』と『空気熱源ヒートポンプ』と『灯油ボイラー』のエネルギー利用比較では、
『地中熱ヒートポンプ』と『空気熱源ヒートポンプ』と『灯油ボイラー』のエネルギー利用比較では、
空気熱源ヒートポンプに対し、およそ40%
灯油ボイラー熱源に対しては、およそ90%
かなりのエネルギー削減率ですよね。
地中熱ヒートポンプの可能性について気になりませんか?
地中熱ヒートポンプについての説明はちょっと長くなってしまいますので
⇒「3分でわかる地中熱」でメリットについてわかりやすく解説しています
地中熱は、CO2削減エネルギーとして注目されている未利用エネルギーです
現在、設備投資の際、様々な補助金が活用できます
⇒地中熱設備導入時に活用できる補助金について
クラウン温度制御って気になる?
なんか地中熱ってすごいかも?
けど、説明が分かりにくい!・・・スミマセン!ちょっと技術の話が多すぎました。
では、
クラウン温度制御と地中熱を活用したのメリットについてもう一度まとめてみましょう
クラウン温度制御と地中熱を活用したのメリットについてもう一度まとめてみましょう
イチゴのクラウン温度制御を導入するメリット
●花芽分化の促進・中休みの短縮により、高値の時期に収量増
●冷却効果により、1果重が増加。また、果実が大きくなる
●収穫期間の早進化及び延長が可能 年間の増収と作業が平準化
●温水により、草勢が維持され増収
●ハウス内温度を低くでき、燃油代を節減
●増収・高値出荷の増加及び安定出荷により、経営が安定
地中熱ヒートポンプを導入するメリット
●-0℃以下でも運転できるため、安定した温度管理がどこでも可能
●従来の半分以下のランニングコストで運用できる
●井戸水利用の場合は、水資源も同時に利用可能
●設備投資に各種高額補助金が活用可能
沢山のメリットがありますよね。
是非、この機会にご検討してみて下さいね。
各種補助金については、地域や時期によって利用できるものが違います。
弊社なら既存のシステムに増設する形での運用のご提案も可能です
ぜひ一度ご相談くださいね
ぜひ一度ご相談くださいね
最後に、
宮城県農業・園芸総合研究所まとめのクラウン温度制御データのリンクを掲載しておきます。参考にしてみてくださいね